株式会社三勢

「建物総合サービス」企業を目指す

─多角的に事業を展開されています。

福原　建物の清掃や設備管理、衛生管理を中心とするビルメンテナンス、建設事業、人材派遣サービス、スポーツ施設の指定管理業務など、当社の業務は多岐にわたります。その中で、コロナ禍の影響で落ち込んだ部門もありましたが、新型コロナウイルスの除菌清掃など衛生管理部門が伸びており、売上高は目標を上回る見込みです。また、2020(令和2)年に立ち上げた「日本鳩対策センター熊本」も好調で、九州エリアのマンションや学校、倉庫などから鳩対策のご依頼をいただいています。建設事業部では大型マンションの改修工事や嘉島町に完成した熊本県フットボールセンターの空調工事、各種リフォームや営繕工事などにも対応しています。

─コロナ禍において、新しいニーズなどはありますか。

福原　既存のお客さまへの対応だけでなく、新規の依頼も増えるなど、衛生管理に対して意識が高まってきたことを実感しています。業界においては、SGDsの観点から新しい技術を導入する企業が増えており、当社でも20年から、環境にも人体にも無害とされる「電解水」や「ウルトラファインバブル水」を清掃に取り入れています。洗浄効果のあるアルカリ性電解水と、除菌・消臭に効果がある酸性電解水をナノレベルの極めて小さな気泡にすることで、普通の水では入り込めない細かな隙間の洗浄、消毒効果を高めています。また、カビ対策に特化した事業を始め、躯体(くたい)に傷をつけない技術をデモ施工しながら、既存のお客さまに紹介している段階です。ビルメンテナンスの技術は建物の寿命を長く保つことが目的の一つですが、近年は建物を利用する人、生活する人の健康を守ることも目的になってきています。
 

 
─今年の展望をお聞かせください。

福原　これまで同様、ビルメンテナンスや衛生管理部門を伸ばしていきながら、新たな事業で結果を出せるようにしたいと考えています。同時に「健康経営」「経営計画書の活用」「人材育成」を3つの柱にしながら、企業文化をより強くしていくことも目標です。どれだけ業績が上がっても、働いている社員が幸せを感じなければ意味がありません。ビルメンテナンス会社の枠にとどまらず、社員が自信と誇りを持って仕事に取り組める「建物総合サービス」企業を目指し、トータルメンテナンスを通して今まで以上に熊本の皆さんに知っていただき、お役に立てる企業へと成長していきたいと思います。